日本で最も古い商店街の一つ、仲見世。元禄の頃より始まり、今でも江戸の風情を色濃く残す情緒豊かな下町の商店街で、およそ250mの長さに89店舗が連なっていて、1年を通じ外国人観光客も含めて大変な賑わいを見せています。そこでこれほど長い間多くの人々に愛され、人が足を運びたくなるのはなぜなのか、仲見世商店街振興組合の高橋理事長さんと岡田広報部長さんにお話を伺いました。以下はその時のメモです。
○浅草寺の使役をやっていた人たちが、自然発生的に参道でお店を出してもいいという許可をもらって始まったのが最初。
・いつしか人がだんだん集まって、今のような状況になった。
・まだ江戸もなかった頃の話。
○閉じたシャッターがさみしいので、平山郁夫先生に絵を描いてもらった。
・すべての店に、屋号や電話番号などを書かせず、白紙のままで提供した。
・観光客をさみしくさせない。
○広告貼り紙を一切させず、色や仕様など、統一感を大切にしている。
・それを取りまとめるために調整が大変で、理事長のリーダーシップが求められるところ。
・商店街の中で、美観担当の役員を置いている。
・仲見世商店街だけで福引やったりセールをやったりはしていない。
・ハード面だけでなく、ソフト面での対応も徹底している。
○商店街の中での若手の後継者の育成や循環はどうなっているのか。
・一応スムーズに進んでいるようだ。
・進学していったんは外に出られている方もいるが、いずれは、ということで帰ってこられている。
就職もしたりするが、何年かするとすると帰ってくる。
・外から新しく入ってくる人はほとんどいない。
外で一旦働いている人たちが帰ってきて、新しい風を吹き込んでくれている。
○印象として、仲見世商店街に来られている観光客は国際的だが、少し路地に入ると地元の人たちがいて、住み分けできているのかなと思ったりする。
・浅草商店連合会をつくっていて、自分のところの商店街だけでなく、よそのお店の紹介もできるようなマップを作って協力し合っている。
○仲見世は賑わっているが、それ以外はそうでもなさそうだ。
・浅草商店連合会で、標識や、観光客の誘導などで協議している。
人の回遊性について活発に議論している。
区と都で駅から誘導することに重点的に取り組んでいる。
・確かに格差があって、それを補う努力はしているが、なかなかこちらの思うように人は動いてくれない。
○東京スカイツリー
・年間500万人が訪れると言われているが、それらの人を橋を越えてこちらに誘導させるにはどうしたらよいかということの議論を年中やっている。
○日本人よりも、海外の人たちの買い物客が多い。
・新聞記事によると、外国人が行ってみたい第1位が浅草。
・外国人接遇トラブル対処法のマニュアルをつくっている。
・アジア系、スペイン語の会話も飛び交っている。
お店のおばちゃんたちもそれに合わせて会話ができるようになっている。
そうすると、そばにいた日本人たちが驚いたりしている。
・苦情対策についても対応している。
文化の違いによって、それを理解してもらう苦労があったりする。
店頭販売だけなので、全部セロハンを開けてチェックされたり。
メイドインジャパンを買いに来たから、ということで商品を裏返して確認しようとしたり。
・
○日本の伝統和装産業に危機感を覚えている。
・いったん伝承者が途絶えると、もう復活できない。
○ホームレス対策
・週に3回、全店参加で夜回りをしている。一年中。
・トラブルにならないようにどいてもらう。
・サラリーマンだった人でもホームレスになるので、理屈も言うし・・・。
○以前訪れた時は、ハトがたくさんいたと記憶しているが、あまり見かけないのはなぜか。
・数年前、あまりにもハトのフン害などの衛生面での問題があったため、浅草寺が餌を与えないという決まりを出した。
・餌を売る人たちにも話をして、売るのをやめてもらった。
・さすがに薬殺するなどの意見もあったことはあったが、動物愛護の観点から避けた。
・餌をやらなくなるのを徹底していると、ハトもどこかへ行ってしまって本当に少なくなった。