【質問項目】
1.地方分権について
2.学校給食と食育について
3.警察における死体の取扱業務について
京都創生フォーラムの岡本忠藏でございます。
私は質問事項を3項目に絞り、通告に従って質問をさせていただきます。知事並びに関係理事者には、的確かつ明快なる御答弁をいただきますようお願いいたします。
質問1:地方分権について
初めに、地方分権を推進するに当たっての本府と市町村の役割について質問いたします。
平成12年の、いわゆる地方分権一括法の施行により機関委任事務制度が形式上であるにせよ廃止され、三位一体の改革によって地方に大きな傷跡を残しつつも税源移譲が現実化し、さらに市町村の平成の大合併が進んで新たな基礎自治体の枠組みがおおむね完成し、進捗が見えにくかった地方分権をようやく具体的に進められる環境が整った今日であると存じております。
そうした中、先ごろ、政府の地方分権改革推進委員会が、国道や一級河川にかかわる国から都道府県への移譲を初め、都道府県から市町村への359件の権限移譲などを盛り込んだ第1次勧告を出しました。また、勧告を受けて地方分権改革推進本部が要綱を決定し、その内容が経済財政改革の基本方針、いわゆる『骨太の方針2008』に盛り込まれたところであり、今後は地方分権改革推進委員会が国の出先機関の廃止・縮小に関する第2次勧告、地方の税財源のあり方にかかわる第3次勧告をまとめ、政府はこれらを踏まえて来年度中の『新分権一括法』の国会提出を目指すものと伺っております。
このことにより、地域の実情やニーズに合った、身近で個性的で自主性・自立性の高い行政の実現に向けての大きな期待感を抱く一方、この一連の過程においても、権限を持つ関連省庁の抵抗に遭って分権が後退したり記述が消えたりしたものが散見しており、これからも乗り越えていかなければならない壁が幾つもあるのだということを改めて実感しているところであります。
さて、地方分権といえば、かつては国と地方との関係に焦点が当たってきた感がありますが、今後は都道府県と市町村の役割分担についても具体的に整理していかなければならないと認識いたしております。地方分権を推進するに当たっては『基礎自治体優先の原則』と『補完性の原理』というものがあり、つまり、事務を分担する際には、まずは基礎自治体が担うということを最優先し、次いで広域自治体が補完し、これらが担うにふさわしくないものを国が担うべきであるという、一般的に広く知られた考え方でありますが、こうした観点に立ちますと、広域自治体である京都府としては、必然的に『広域事務』『連絡調整事務』、そして『補完事務』により一層特化して担うべきであり、さらに言えば、合併によって市町村の規模が拡大して『広域』というものの意味合いが変化しておりますし、分権によって地域住民から役割の拡大を期待されているのは主として市町村でありますことから、本府は広域自治体としての役割を果たすべく、これまで以上に力を傾注しつつも、これまで担ってきた連絡調整事務や補完事務についても極力縮減して、住民に身近な事務は市町村が自己完結的に処理できる体制をつくることが求められていると存じます。
本府は権限移譲を進めるための新たな組織を市町村とともに設置され、早期に議論を始められるということを明らかにされており、その進捗に大きな期待をかけているわけでありますが、私は、個別の事務事業の仕分けを行う前に、まずは市町村とは何か、都道府県のあるべき姿がどんなものかという原理・原則を明確にしておくことが、今後の地方分権を進めていく上で非常に重要であるととらえております。
そこで質問でありますが、この際、本府と市町村との関係を根本から整理し、それぞれが果たすべき役割を改めて見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。どのような進め方がなされるにしても、地方分権は国家百年の計であり、大局をしっかり見据えた上での議論であるべきだと存じます。御所見をお伺いいたします。
また同時に、各論においても、それが政府の進めようとしている内容のものであるかどうかは関係なく、既成の概念にとらわれずに京都府民の視点に立って、それぞれの事務事業においてどこが担うのが最も適当であるのかを検証する必要があると存じます。さらに、振興局の広域化が図られて5年目を迎えておりますが、さらなるスリム化を含め、振興局を初めとする本府の出先機関の役割を再考するよい時期に来ているのではないかと考えますが、あわせて御見解と今後のあり方についてお尋ねいたします。