関西若手議員の会の通常総会・研修会が行われ、和歌山市に行ってきました。開催地は会長の地元であることが多く、19年度は和歌山市議会の古川祐典さんが会長を務めておられるので和歌山での開催となりました。私が和歌山に行ったのは去年の統一地方選挙で応援に来て以来、1年ぶりのことです。
多くの議員たちが遠方から集まるので総会だけではもったいないということで、ご当地の先進事例を取り上げた研修会を日程に組み込むことにしており、この日も3ヶ所、中身の濃い視察をさせていただけました。
まずはICTを活用した学力向上の取り組みです。ちょうど小学校の教育用コンピューターシステムの更新時期にあって、どうせ更新するならということで、より教育に役立つようなシステムにしようと考え、手書き入力が可能なタブレット型パソコンを児童用として市内各小学校のコンピューター室に導入されました。
ではこのPCでどのような授業を行うかといいますと、マイクロソフト社が開発した教育用ソフトを使って漢字の書き取りや計算などを手書き入力で次々と解いていくというもので、いわゆる漢字ドリルや計算ドリルをやっているイメージです。
しかしドリルと違うところは、例えば漢字なら正しい書き順までチェックでき、正解・不正解も判定して何問中何点だったかが自動で集計しますし、間違えた場合には直すこともでき、また生徒それぞれの全体の集計を見て得意・不得意や傾向まで把握できます。
つまり、先生の負担が格段に軽減されるので、授業中は進捗が遅かったり習熟度の低い生徒に時間をかけられるということです。また何よりゲーム感覚で勉強できるため、子どもたちの集中の度合いが格段に良いようで、私たちは有功東小学校に伺って授業風景も拝見したのですが、夢中でPCに向かっている様子はでっかいDSで遊んでいる感じでした。
その後、教育研究所に移動してレクチャーを受け、私たちも実際にタブレットPCで漢字や計算のテストをさせていただきました。その結果、私は誤った書き順で覚えている漢字が2つあることが判明しました・・・。たった20〜30問でそんなですから、悲しいやら、情けないやら。
現在は基礎学力の向上を主要なテーマとされており、状況を見ながらさらにいろんな活用が期待できそうです。
次に伺ったのは住友金属和歌山製鉄所の工場です。鉄鉱石が鉄になるまで、そしてシームレスパイプの製造工程を見せていただきました。プラントに行くと、大抵は場内の撮影は禁止となりますが、しかしその迫力は本当にすごかったです。
高炉に注ぐドロドロの鉄は1回200トン、その規模の入れ物のことを『鍋』と呼んでおられましたが、鍋というにはとてつもない大きなもので、しかも鉄がドロドロになるほどの高温でも融けないわけですから、どんなふうになっているのか想像もつきません。
一方、すべてがこんなふうに豪快な場内ですが、ラインは非常に精密で繊細なものでした。『シーム』とはつなぎ目のことですから、シームレスパイプとはつなぎ目のないパイプのこと。ふつうは板を筒のように丸めてつなぎ目を溶接するのが一般的なパイプの作り方のようですが、シームレスパイプは丸棒に高交叉角穿孔機を軸方向に押し込み広げるという工法で製造されており、その穿孔機の先端の角度に住友金属さん独自のものがあると言っておられました。
そして市役所に戻って和歌山市の行財政改革とまちづくりについて伺いました。何と和歌山市の金?副市長は舞鶴のご出身だそうで、年齢も私の1つ上。合間の時間のほんの少しの会話でしたが、日本のいろんなところで舞鶴出身者も頑張ってるんだなあと思い、感慨と同時に勇気が湧いてくるようでした。
総会では新しい会長に神戸市議会の井坂信彦さんが選出され、井坂さんらしい表現で活動の明確な方向性を示され、所信を述べられました。今年度の関若の活動はこれまで積み重ねてきたベースに加えておもしろい取り組みがありそうです。前年度の古川会長をはじめ、役員のみなさんはいろいろとご苦労をおかけしましたが、そういうのもいい経験になるでしょう。本当にお疲れ様でした。