先日、京都府立舞鶴養護学校の視察に伺いました。午前中には京都府と舞鶴市が共催するテロ対策合同訓練があり、京都府議会議員が何人も来鶴されていたので、特に同期の議員さんには見てもらいたかったのですが、自民と民主の皆さんはの会派の会議が午後に入っているということで、訓練が終わり次第すぐに京都市内へ帰られたので、綾部の佐々木さんと2人での視察となりました。
現在の舞鶴養護学校は平成17年に新設された学校なのですが、私は恥ずかしながら今回初めて学校の中をゆっくりと回らせていただきました。運動会などのイベントにはお邪魔していましたが、本来の学校を知るためには、やはり普段の学校生活を見るのが最も大切です。
あくまで一般論ですが、私たちのような部外者が中の様子を知りたいということに学校側は大なり小なりの拒絶反応を示されることがあります。わざとアポなしで行ったりすると、『いったい何を探りに来たんだ』という雰囲気を出される教員もいます。
しかし舞鶴養護学校は違いまして、初めに運営内容などのお話を伺った後は授業の様子なども見せていただいて、自閉症や知的障害のクラスなどを次々と案内していただきました。知ってるお子さんが何人もいて、久しぶりに見る彼らは、以前の私のイメージと違って、心なしか落ち着いて授業を受けていたのが非常に印象的でした。これも、最初のレクチャーの時間が長すぎると実際の授業が見れなくなるから早くいきましょうという校長先生にせっつかれて、現場を見ながらいろんな細かいお話も聞かせていただきました。
建物が新しいのは当然ですが、そんなことよりもむしろ子供たちに対する細やかな対応が非常に印象に残りました。失礼ながらもっと放置状態や無理をさせない方針になっているのではないかなと思っていたのですが、それなりのハードルを与えてチャレンジさせたり、子供の障害を的確に捉えてそれに合ったやり方で授業を効果的に進めており、成果が感じられます。
舞鶴養護学校の特色としては、特に自閉症学級への取り組みに高い評価を受けており、圧巻は高等部の作業学習の授業で学生がつくる作品の見事さです。どの養護学校でも授業で作った作品を展示したりいろんなところで販売したりしているのですが、舞鶴養護学校の生徒がつくる製品の高度さ、見事さは他校の追随を許さず、この素晴らしさは作品を見てもらえば誰でも唸るようなものばかりです。
作業学習でつくったものは毎年京都大丸で展示販売されており、その時にも見に行ったのですが、私は藍染の暖簾を気に入り、買っておいたので、近いうちに事務所に飾ることにしています。ちなみに私の買ったものは『風』と描いてあり、その他のものも含めて元になる字は舞養の職員さんが描かれたものなのです。今後はさらにバリエーションを増やして、校長先生曰く『のらりくらり』という文字を描いた暖簾をつくるのだそうです。私の事務所には不向きですけどね(笑)。
最大の課題は就労支援です。卒業した後の行き先は障害も持つ生徒さん達の大きな悩みであり、特に舞鶴は有効求人倍率が他市に比べても非常に低く、一般の人の就労も厳しい中で、就職への大きな壁になっています。ハローワークでは深く関わってもらえることはないようで、行き先は教職員が足で回って探していらっしゃるようです。
うちの子供もいずれお世話になるんだろうなと思いつつ、親の目線でも視察させていただいたのですが、非常に開放的で、『いつ見られても何ら問題ありません。』という先生方の絶対的な自信が強く印象に残っています。開校当初に比べて視察の頻度は減っているようで、中には施設の見学だけで帰られるところもあり、『子供らの風景を見んとって何が分かるねんって思いますわ。』と校長先生は苦笑いされていました。
最後は帰宅する生徒さん達のスクールバスを見送りました。18年度に開設された特別支援教育トータルサポートセンターの視察までさせていただき、気づけば3時間も2人の議員のためにいただきました。