昨日の舞鶴は秋の各種イベントが目白押しで、府議会議員は大忙しだったはずなのですが、私はそれらをすべて失礼して、わが子の運動会に専念させていただきました。この日、もし仕事に行ってしまっていたら本当に離婚だったでしょうね(笑)。
幼稚園ではPTAの会長を務めさせていただいており、もちろんPTAを実際に切り盛りしていただいているのは女性役員のみなさんであることは間違いのない事実ではありますが、こうしたイベントの時は私を含めた4名の本部役員の男子(?)は肉体労働時の貴重な戦力となります。義務教育になっても学校は保護者の協力を期待するでしょうが、幼稚園ではより身近な存在としてPTAは関わっています。さらに役員にもなれば家庭での時間を割いていただくことになりますのでもっと大変になりますし、それでも皆さんいやな顔一つ見せず、むしろ積極的に楽しんでいただいているようなので、いつも本当にすごいなーと感じ、ありがたいことだなーと思うのです。
皆さんが自覚されているかどうかは分かりませんが、こうした積み重ねが子供たちの健やかな成長に着実に繋がっていくのでしょうし、さらにこのエネルギーをそれぞれの地域に持ち帰ることができたら力強いコミュニティができるのではないかと感じています。
子供は勝手には育ちません。体は大きくなるでしょうが、心はそうはいきません。この頃の子どもたちはたくさんの愛情が必要で、そういう面での我慢をさせてはならないと思うのです。親から、地域から、そして先生から『愛されている』と実感していれば、子供たちは自信も深まるし大きく道をそれることもないでしょう。
さて、我がひばり幼稚園の運動会での最大の目玉は何といっても年長の鼓隊です。これは本当にすごくて、自分の子供が関わっていなくても見る者を感動させます。幼稚園児がここまでできるのか、ここまでくるには子供たちは相当頑張っただろうな、それを教える先生はこの短期間でどうやって指導されたんだろうな、そんな思考が頭の中を駆け巡るのです。ましてや自分の子供が演奏している場合、感動のあまり涙を流す親は少なくありません。
我が家の場合は通常のそれとはまた違います。染色体に異常のあるバリバリの障害児にこの複雑極まりない鼓隊の演奏をさせようというのですから、尋常ではありません。一般的に考えれば、まともにできるはずがないんです。だって知的障害児なんですから。
しかし大輝はやりました。となりのお友達に支持をもらいながら、目まぐるしく変わる陣形を崩さずに隊列を維持し、演奏も時々間違えながら最後までやり遂げました。今日は10月とは思えない暑さでしたが集中力を切らさずに最後まで頑張りました。私は大勢の保護者にまぎれてビデオカメラをまわしていたのですが、あふれる涙を止めることができず、子どもを追うのが大変でした。最後の最後でヤツは父親に気づき、最後のポーズをみんなと違う方向に向いて父親に向かって決めました。よくないことなんですが、あの誇らしげな顔を見たらもうどうでもいいやと思えました。
思えば、今年の春から『鼓隊、ガンバル!』と言っていました。今度は自分の番だということを知っているのです。親としても大きな節目だと思っていましたし、もっと言えば3年前、入園した時からの壮大な目標でした。ここまで来るのには勝手に成長したわけではありません。毎日コツコツと成長を促すことを実践し(嫁が)、課題を克服するために子どもと一緒に取り組み(嫁が)、それも適当に思いつくままやるのではなくて、我が子の良いところや不得手なところを的確にとらえることも重要ですし、それに合わせた訓練をしなければならないので知識が必要で、そんな簡単なことではなかったはずですが、泣いて笑って、母子にとってはまさに真剣勝負の毎日だったと思います。これからの成長の可能性を感じさせてくれ、また俺たちも頑張れる、そう思わせてくれた鼓隊の演奏でした。
我が子の通うひばり幼稚園は、保護者に対していろんな制約をかけてきます。とにかく行事ごとが多くて、いろんな機会を通じて保護者に参加させるのです。中には、今日は送迎しないという日もあって、親が行事に出てこないと子供が帰れないようにしている時もあります。ですから園に預けたら後は何もしたくないと考える保護者はひばり幼稚園を敬遠する傾向にあるように感じますが、それでもひばりはその方針を曲げようとはしていません。
中には『そんな運営方針では幼稚園が潰れる』という人もいるらしいのですが、副園長のクミ先生は『別に潰れたって構わないけど、多分ひばりは潰れないよ』と言って笑っていました。今のような時代だからこそ、ひばり幼稚園のような園が必要なんだ、ということなのでしょう。実際、運営方針を分かってて入園させる保護者ばかりですし、私たち夫婦も入園前に見学させていただいたのですが、ここしかないな、とすぐに思いました。今日の運動会では、未就園児がたくさん参加してくれていましたが、来年も多くの子どもさんに入園していただきたいものです。