私は母校でもある東舞鶴高校の学校評議員を勤めさせていただいています。この学校評議員制度は、保護者や地域住民などの意向を把握し、それらを学校運営に反映させることにより開かれた学校づくりを推進するために、平成14年度から施行されています。
私は今年度に3年目を迎えるのですが、他にも会社の社長さんや元PTA会長、中学校の校長先生、女性など、様々な立場から多岐に渡った意見が聞けるような配慮が見受けられます。しかし正直言うと、初めて学校評議員を打診されたときは訳も分からず引き受けてしまったものの、学校側が私たちに何を求めているのかが分からず手持ちぐささだった感は否めませんでした。
しかし今日は学校評議員らしい(?)意見がいくつも出て、これなら懇談会を開く意味はあるなと学校評議員になって初めて思いました(苦笑)。
学校からは現在の公立高校が相対的にどのような状況に追い込まれているかという話を伺ったり、また評議員からは雨天の通学時のカッパの着用についてや、郊外に位置する東高は交通アクセスが不便であるためそれを補うためにどうするかという話、本校と分校のPTAが別々に存在しているため早期に一元化できないかという話など、少し本腰を入れれば実現できそうなものもあったりして、人の話は聞くもんだなぁと自分自身が勉強になったりもしました。
公立高校は私学の攻勢を受けて厳しい状況にあるといいます。ただでさえ少子化のうえに、私立高校は特待生の優遇制度などを手土産にして学力の高い生徒の獲得を目指し、公立高校は生徒の獲得に四苦八苦しているのが現状だとか。
しかし私はその場では黙っていましたが、これは保護者や生徒さんにしてみれば選択の余地が広がるわけで、むしろ良いことなのではないでしょうか。こうして教育を提供する側にも競争原理が働けば、生き残りのために独自性を模索したり、より良い教育を目指さざるを得なくなるからです。これまでは偏差値の上から下までで適当に住み分けができていましたが、これからは違うのでしょう。
この話を聞いていて、頭に浮かんだのは学校選択制度です。舞鶴市立の中学校は8校ありますが、住んでいる地域で通う中学校は決まっています。もし東舞鶴の中学生なら東地域の、もしくは西舞鶴の中学生なら西のどこの中学校にでも通えるようになれば、公立中学校同士での競争が始まります。学力で、あるいはスポーツや文化活動で、独自性を発揮していかなければ学校に活気は生まれなくなってしまうでしょう。
学校を選択できるということは、子どもたちではなく、学校間の、つまり大人たちの間での競争です。子どもたちは、自分の行きたい学校に行けばよいのです。本当に子どもたちのための教育を目指そうと思えば、今の枠組みから一歩踏み出す勇気が必要なのです。今の枠組みから一歩踏み出す・・・教育行政の最も不得手とするところですが。