今日の建設委員会での争点は、『下水道料金の値上げを容認するか否か』という攻防でした。
同時に提案された上水道料金の値上げについては、旧海軍から引き継いだ施設をいまだに使用していることや近年の懸案事項となっている塩水対策、さらに管路の耐震化や配水地の整備など、安定的かつ災害に強い水道施設にリニューアルしていくため、そして30年もの間、水道料金が据え置きされている等の理由で可決されました。
しかし下水道についての値上げは認められませんでした。
反対した各委員さんの概ね共通した理由は以下のとおりです。
まずは、現在下水道が普及している地域に居住しながら公共下水道を利用していないご家庭が4000戸以上あり、供用開始後3年以内に加入しなければならないという下水道法の順守をを市民の皆様に周知徹底して少しでも加入戸数の増加に努めることが先決であるということ。
それから10月からの『可燃ごみ処理にかかる有料化』に加えて『上水道料金の値上げ』が重なり、厳しい地方経済にあって各家庭への負担が大きいということです。
年間3,000〜4,000円程度の可燃ごみ有料化だけでなく水道料金の値上げ、税制においては配偶者特別控除が廃止され、さらに2006年には定率減税の廃止などが待っていて、様々な負の要素が重なり合っているのは事実だと思います。
舞鶴市の下水道事業の現状を見れば、いずれは値上げを検討すべきだとは思いますが、『またかよ』という市民感情に配慮して、少しの猶予が必要であるという意見は的を得ていると私も思います。
そして建設委員長の判断により、下水道料金については採決を取らずに議長預かりとなりました。
建設委員会には各会派からの7名で構成されているのですが、もし採決を取っていたら、賛成3、反対3となり委員長が賛成することによって可決すべきものとなっていたはずです。
本会議では議長を除く29人が採決に望むことになりますが、おそらく保守系議員の造反が出て最低10人以上の反対者が出ていたことでしょう。
今後は市理事者が修正案を出してくるか、それとも原案のまま採決に臨むのかがポイントとなります。
では私は今回の下水道料金の値上げについてどういう考えを持っていたかといいますと、まず建設委員会であっさりと可決されていたら、本会議では採決には加わらずに退席していたと思います。この場合他の議案と一括して採決されてしまうため、賛成している議案にも反対しなければならなくなるからです。
次に、今回の委員会での状況により修正案が理事者側から出てくる可能性が高まりました。修正案が提出されて値上げの時期が延期されることになれば、修正案に賛成するつもりです。
もし理事者側が原案のまま採決に望めば、この議案だけ分離採決となりますので明確に反対します。この場合、10名以上の反対者が出ますが可決されることになるでしょう。
今回の委員会審議の結果は、『与党だからといってすべてに賛成するわけではないぞ』という議会の意思が明らかになって良かったです。もちろん少数派ではあるのですが。
わずかですが、議会としての尊厳を保つことができたと思います。