舞鶴市が構造改革特区の第6次認定の申請をしました。その名も“まいづる『グリーンツーリズムの郷』創造特区”といいます。
舞鶴でも他自治体同様、農村の過疎化・高齢化が進み、耕作放棄地が増大しつつあり、その状況を打開するための手立てを模索しながら答えを見出せずに今日を迎えています。
これにより、農業生産活動や自然景観、うずもれている伝統文化等の資源を活かした都市農村交流を進めるためのビジネスモデルを構築し、地域農業の戦略的転換を図ろうとするものです。
この種の特区申請は舞鶴が初めてではなく、特段目新しいものではありません。ただ、農村の活性化をしようと思えば足かせが多く、地方が自分たちで考えて実行できる権限はほとんど与えられていなかったという実情からすれば、特区といわず、全国のどこでも自分たちの力量で土地を確保し、物を作り、売り、頑張れば頑張った分だけ報われるような分野に育たなければ、日本の農業はジリ貧だと思います。
以前舞鶴市は構造改革特区について、韓国や中国との『ビザなし交流』を申請したことがありますが、あえなく却下された経緯があります。ところがずいぶん後で来日した韓国の大統領が国会演説の中で修学旅行のビザなし交流をしようと提案され、あっさり実現することになったため、頭にきたことがありました。地方には認めなかったことを国同士のポイント稼ぎのために実現させたからです。省庁のご都合主義は今に始まったことではありませんが、今の三位一体の改革の議論の中でも相変わらずなようです。
実は農林課からこの特区についての報告を受ける数日前、長野県の自治体にこの農業特区の視察に行きたいと議会事務局に手配をお願いしていたところだったので、なんとタイミングの良いことだと我ながら感心してしまいましたが、とにかくしっかりと勉強させていただき、先進地の智恵や課題を持ち帰ってきたいと思います。
舞鶴はこれまでに、『上野家住宅』や『(仮称)農業公園』などの交流拠点施設の整備を進めており、これらを利用してのグリーンツーリズムや市民農園の開設、農家民泊を実施したいと考えています。舞鶴には海という素晴らしい財産がありますので、『ブルーツーリズム』という概念も忘れてはなりません。
また農業分野への企業の参入を可能にし、新規就農者の農地の権利取得をしやすいように下限面積を10アールに緩和(現行30アール)することによって地域農業の再生を図ろうとするものです。
都市農村交流についてはそれなりにやれるのかな、という気がしていますが、農業を発展させ、食料自給率を向上させるためには生半可なことではいきません。これまで舞鶴の農業を曲がりなりにも支えてきた小規模農家をどうするのか、という問題もあります。
正直に申し上げると私は農業に携わったことがないせいか、議員活動の中でいつも大切にしている『感覚的な何か』をいまいちつかみきれていません。ご所見がおありの方がいらっしゃれば、ご意見など伺えると幸いなのですが。